Web 2.0の登場・拡大に伴い、Webベーステクノロジの巨大な成長が見受けられます。Google Inc. はWebをここまで使いやすいものへと成長させた貢献者と言えます。Googleは広告会社として、その収入源である検索エンジンを通して、インターネットを簡単にアクセスできるものとしました。彼らはユーザに広告をクリックさせる新しい手法を絶えず考えています。Googleのスローガンは「悪をなさず」で、その検索エンジンに人を引き込むためにたくさんのサービスを提供しています。オンラインマップ、サテライトマップ、値段比較サイト、Web統計など、様々なサービスを提供することで、ユーザが彼らのWebサービスに戻るように仕向けます。

大きなサービスの一つにGmailがあげられます。Gmailは知っての通り、徹底的に再構築されたメッセージサービスです。メール、チャット、ビデオ、カレンダー、ドキュメント、アーカイブ等、他にも様々な機能を持ちます。Hotmail、Yahoo等、他のメール会社とは異なり、この無料メールサービスは、メールボックスに入るすべてのメールをスキャンし、それら情報を元に、それぞれのユーザー向けの広告を送るのです。つまり彼らはユーザーの好み、嫌いなもの、興味のある分野などを“分析”できるのです。多くの個人情報保護機関は、ウイルスもしくはセキュリティ以外の目的ためにメールがスキャンされる事について懸念を高めました。

2007年2月、Googleはホスティングビジネスに進出しました。 Google Appsです。Google AppsはGmailサービスのオンライン付加機能です。Gmail との違いは、企業が自社ドメインを使用したままGoogleサービスが使用可能な事です。個人でも自分専用のドメインを使えます。彼らはこのサービスを無料で提供し、何も捨てるものが無い、と広告しています。POP3メール、IMAP、オンラインスケジュール、共有、モバイルアクセス等、全てが無料で提供されます・・・他社では通常有料サービスとなるものです。なぜこれらが可能なのでしょうか。その答えのほとんどは、オンライン広告が説明してくれます。

AINEOはアジア太平洋地域の最優秀企業のITマネージャとして、クライアントに正しいフィードバックをする為にGmail/Google Appsを2回に分けてテストしました。当社のエンジニアの何人かも個人的にGmailを使っています。国内外の様々なサービスに精通したメンバです。2008年12月と2010年1月には、Google Appsを公式にテストしました。以下はその報告内容で、皆さんと共有したいと思います。

Apps調査報告
-連続してタイムアウトする為、IMAPアカウント同士のメールのインポートができない。POP3を使用し、時間をかけてGoogleApps/Gmailに一回につき200個づつインポートさせる必要がありました。

-有料ユーザ(年間50ドル)であり、しかも何度も広告のサービスを不可にしているのにも関わらず、メールスキャンによる広告が頻繁に出現しました。

-このサービスはRIMのBlackBerryエンタプライズサーバ(BES Server)でも使えることになっています。しかしこれは誤解を招く表現で、実際にはBlackBerryを利用したいユーザはBESサーバをインストールしなければなりません。Googleは有料ユーザにはBESソフトウェアコネクタを提供しています。

-有料ユーザと無料ユーザが同じサーバを利用。有料と無料とでは技術的な差はない様子。

-有料ユーザは電話でのサポートが利用可能。しかし、有料ユーザ専用番号に電話をかけても繋がらず、アメリカのヘルプデスクにかけてみましたが 43分待たされても繋がらないためあきらめました。それまでの数日はサービスダウンは無かったものの、おそらくGoogleにとって良い日じゃなかったに違いないと、今度はUKのサポート番号に電話をかけました。37分粘りましたが、結局誰からのサポートも得られませんでした。つまり誰も電話に出ないのかもしれません。

-ユーザは個人か法人のドメインを自分で確認しなければなりません。これは他の代表的なWebホステェング会社では必要がなく、少々の手間がかかる作業です。この確認作業は一瞬セキュリティ目的で手順のようですが、実際は、登録情報によるDNSを変えることでドメイン・アドミニストレータだけがドメインアクセスをコントロール可能にするといったつまらない理由からです。

-削除したメールは、実際は消されていません。簡単なテストとして、メッセージを削除後、ゴミ箱を空にし、その後検索をかけてみます。例えば、“The” や何かメッセージに含まれる言葉を入れると、消したはずのメールがなぜが表示されます (残っているということです)

-ユーザーインタフェースはシンプルですが、何かをする度に他のウィンドウが開きます。これはユーザを簡単に迷子にする原因となります。

-彼らの規約には、ユーザがデータを消しても彼らのシステムからデータが完全に消去される保証はありません。

-彼らのシステムは日本のユーザにとっては遅い感があったので、少々検証をしてみると、日本にはGoogle Apps/Gmailのデータは存在してない事がわかりました。全てのデータはアメリカに保管されています。

-Googleの日本支社でGoogle Appsのサポートは1名。彼は実際、営業責任者で、サポートではなく、主に販売促進を担当。彼に会った時、彼はあまり私たちの疑問点に対しては言及せず、アメリカにあるGoogleのデータセンターの安全性についてばかりを説明していました。

-GoogleはどのブラウザもしくはIMAPだろうと、常にユーザがどこからアクセスしてるかIPアドレスをトラッキングします。家からアクセスした場合、彼らはあなたの個人のIPアドレスと法人のIPを保存します。Googleで検索すると(これは現時点で最高のサービスですが)その検索内容から、さらにメールならその内容から 、必要以上にあなたやあなたのユーザについての情報を集計します。

結論
我々のリサーチの結果、Googleはサービスを特定の理由で提供しています。彼らはあなたに何も削除しないことを奨励することで、あなたの個人情報を入手しようとしているようです (おそらく、いつでも検索できるように、という名目で)。Googleはあなたに広告を提供するために、あなたの全ての個人情報を必要としています。あなたの事をもっと知ることで、より正確な広告を提供できます。プライバシーの専門家は、集められたデータがいずれ集計され、あなたに関する情報、として編集されることを懸念しています。法人に対してGoogle Apps/Gmailは以下の改善点が求められています;

-カスタマーサポート、電話での問い合わせも稼動していない。全てのサポートがウェブ上に限られている。基本的に、電話ができる人がいないということは、サポートがないということになる。法人にはありがたくない。

-BlackBerryエンタープライズサーバは “技術的には” サポートされていますが、実際にはサービスとして提供されていないため、ユーザはBESサーバをローカルに持つ必要があります。企業は、メールサーバをホスティング(もしくは外部委託)するために、自社にBESサーバを導入するでしょうか?

-Googleはあなたの情報で何を行なっているのか、なぜユーザがデータを削除したときにシステムから削除しないのか、を明確にする必要があります。

-あなたの全てのデータはアメリカに保管されています。それは即ち、データセンタの安全にかかわらず、それはあなたのデータが、アメリカの弁護士またはアメリカ政府に召喚される可能性がある、ということを意味しています。

とあるセキュリティーと個人情報の専門家はGoogle Appsは卵の入った鳥の巣だと表現しました。一度データと個人情報がその場所に入ると、侵入者にとって格好のターゲットになるからです。我々の結論としては、予算が無いのであれば無料のGoogle Apps/Gmailは一つの選択肢だと思います(広告は表示されますが)。しかしながら、もしメールの内容が重要であったり、個人的、機密情報を含むのであれば、法人弁護士にデータの置き場所に関して確認を取ったほうが賢明でしょう。
Googleが データ管轄に対しての不安感を鎮め、有料ユーザに対し適切なカスタマサービスを実装し、個人情報の取り扱いを明確にしたとき、彼らGoogle Appsは、真剣に検討する価値のあるサービスになるでしょう。

彼らは広告を基盤とする素晴らしい会社なので、カスタマーサポートは得意な分野ではないのかもしれません。しかし彼らがこれらサービスに対し意欲的に向上させ、意思表示を明確に行なった時は、かなりの高い評価を受けることでしょう。それまではGoogleが得意な分野、つまりWeb検索のみの使用をお勧めします。Web検索プロバイダーを変えるのは簡単ですが、コミュニケーションとメールが他の国のプロプライエタリなクラウドに保管されている状況の中、Webブラウザ経由だけのサポートにはとてもがっかりさせられるでしょう。情報技術、いわゆる IT はまだまだ完璧なものではありませんが、だからこそ電話やメールでのトラブル対応に責任者を置くことが非常に重要となってくるのです。