日本は素晴らしい国です。日本は良い人しか存在しない完璧な国であるという訳ではありませんが、食べ物は美味しく、人々は良い人たちで、社会はとても安全です。日本と他の先進諸国との違いは、悪い人たちの数が比較的とても少なく、住むのに安全であるということです。アメリカも偉大な国ですが、公職の選挙に立候補する不誠実な「賄賂要求」タイプの政治家たちが世界最大の経済大国にさえいることが、ソーシャルメディアや科学技術やインターネットによってよく見えてしまいます。日本にもいかがわしい政治家たちはいますが、その規模がかなり異なります。
この北東アジアの国(日本)の魅力は上昇し、世界の人々は自身でここを訪れてその魅力を体験したいと思っています。日本政府は、2015年は1年間の外国人訪問者が1,970万人にまで増加したと発表しました。そのあらゆる魅力にもかかわらず、日本には1つの大きな欠点があります。それは、いわばメニュー思考の、クリエイティブでない市民がたくさんいるということです。前もって準備されたことや決まっていること以外はできないという考え方。メニュー思考です。
ほとんどの人たちは素晴らしい仕事をします。しかし、決まったメニューから外れたことが起こるとどうなるでしょうか。レストランで、メニューにない1すくい分のアイスクリームを加えたチョコレートサンデーが欲しい場合はまだ大丈夫でしょう。しかし、それに2すくい分が欲しい場合は問題になってきます。特に、それがメニューにない場合はそうです。おそらく、あなたはそれを注文できないでしょう。なぜなら、多くの人は柔軟に対応するということを知らないからです。多くの人は、前もって決められたメニューに載っていないものについては、どうしたら良いのか、とにかく分からないのです。
2011年に福島原発で炉心メルトダウンが起こった際、全世界は、東京電力の従業員たちは緊急事態にとるべき行動のマニュアルをもっているにもかかわらず行動できないということを目撃しました。この時は、建物の高さの津波が襲いバックアップ電源が喪失するといったことがメニュー(マニュアル)になかったため、従業員たちは初めから、この災害を最小限に抑える方法が分からなかったのです。枠からはみ出た考えを少しでもしていたら、少々のリーダーシップと迅速な決断によって、起こった大災害を防げていたかも知れません。
あなたが日本の大企業と一緒に仕事をすると、添付ファイルをE-メールで送付して来る際に、メニューから外れられないという愚かさを見ることでしょう。ソフトバンク、KDDI、ベネッセは皆、顧客情報を流出させてしまいました。これに対する一つのお決まりの対策は、見積書、カタログ、提案書、その他をパスワード保護された圧縮ファイルにして送り、別のメールでパスワードを送るということです。そうされると、あなたは両方のメールをずっと把握していなければなりません。ファイルをロックして保存すると、再びパスワードを探さなければならないという面倒なことになるからです。
ほとんどの賢明な企業はこのような愚かしい「パスワード保護」をしませんが、とても大きな会社の中にも、ただ顧客をいらだたせるだけのパスワード保護の方針を採っている会社があります。問題は、これが彼らの「メニュー」、または物事のやり方であるが、彼らはインターネットで検索することを忘れているということです。現実は、もしあなたが少しばかりのITのセンスをもっていたら、パスワード保護されたファイルを開けて見るのはとても簡単だということです。
銀行はおそらく、日本のメニュー狂いの極致でしょう。銀行はあらゆる種類の無意味なルールと書類業務に満ちています。日本の大きな銀行では、メニュー思考はどうにもできないのです。もちろん私たちは銀行に私たちのお金を守ってもらいたいと思いますが、会社の電話番号が変わった場合、ホームページ、名刺、公共料金請求書の電話番号はもう変わっているのに、銀行では、90日間等を経過した登記簿を役所に取りに行かなければ変更の手続きができないのです。そして、様々な書式を名義人本人が手書きで書かなければなりません。IDの価値のセンスや、銀行があなたのために保持しているあなたのお金の所有権を特定するセンスがないのです。銀行は、人々ができる限り関わりたくないものとなっています。
日本が世界で最も影響力のある国の一つであることは疑いようがありません。これは第二次世界大戦後の歴史に残る事実です。しかし残念なことに、この影響力は徐々に弱まりつつあるようです。なぜこうなっているのでしょうか? もしかしたらそれは、何かをするのによりよい方法があったり、パートナーの顧客により良いサービスができたりする際、魅力のない「メニュー」に固執せずにいられないことによるのではないでしょうか? 私たちはそうだと考えます。
アイネオでは、何よりも第一に私たちのパートナー(顧客)にとって良い決断を、そしてアイネオのビジネスにとっても理に適う決断をするよう私たちのチームを励まし、メニュー思考を打ち壊そうとしています。アイネオのチームメンバーは皆、機転が利き(bright)、素早く(quick)、柔軟性な(flexible)者となるよう奨励されています。私たちはこれをBQFと呼んでいます。もしBQF(機転が利き、素早く、柔軟)であるならば、皮相的なメニュー思考に留まることはほとんどありません。
私たちは日本が大好きです。メニュー思考は日本の欠点ですが、それは打ち壊すことができます。運送業、科学技術分野、小売業、接客業、金融業、その他ほとんどあらゆるビジネス分野で、人々が立ち上がり、機転の利くリーダーになることによって、それは打ち壊されるのです。リーダーシップはCEOから始まります。そして、そのカリスマ性が組織内に浸透し、各レベルのリーダーが間もなくそれに従うようになります。
良いことはメニュー思考を打ち壊す人々にやって来ます!